今回は古代ローマの時代を生きた医学者ディオスコリデスの話です。古代ローマといえば、コロッセオやテルマエなどのイメージが強いですね。
彼は、暴君で有名な皇帝ネロの部下として働く軍医でした。同時に植物学者、薬理学者としての顔も持っていた彼は、軍医として各地へ旅し、その経験を活かして『マテリア・メディカ(薬物誌)』という書籍を著しました。ここには、約600種もの植物の効能などが記されています。
ちなみに古代ギリシャのテオフラストスのまとめた『植物誌』は、植物そのものの生態に目を向けた研究書で、効能などを記したこの薬物誌とは似て非なるものでした。
マテリア・メディカは症状から治療法を探すことができるなど高い実用性でも知られ、今日にいたるまで何度も写本を繰り返され受け継がれてきました。その中でも有名なのが『ウィーン写本』です。この名前は、収蔵されている場所がオーストリアの首都ウィーンであることに由来しているそうです。(ウィーンは音楽の都として有名ですね^^)
・皇帝ネロの部下として働く軍医
・『マテリア・メディカ(薬物誌)』を書いた
・写本された中では『ウィーン写本』が有名